水草水槽でもエアレーションは効果的!その理由とやり方とは?【油膜と酸欠対策】

水草水槽

こんにちは、いのりです。

水草を育てている水槽ではエアレーションは必要が無いよ、と言われることがありますよね。

というのも、水草水槽では水草の成長を良くするために二酸化炭素を添加するケースが多いのですが、二酸化炭素を添加している水槽でエアレーションをすると、折角添加した二酸化炭素が水槽内から抜けていってしまうからなんです。

そのため、エアレーションは水草水槽では必要ないと言われます。

確かにこの考えは正しいと思います。しかし、実は水草水槽でもエアレーションをした方が良い場合があるんです。

この記事では、水草水槽でもエアレーションが効果的な理由と、その方法について、ご紹介します。

エアレーションの効果

水泡

まず初めにアクアリウムにおけるエアレーションの一般的なメリットとデメリットを簡単にご紹介します。

「エアレーションの効果はわかるよー」という方は、次の項目に進んで頂いても大丈夫ですよ。

エアレーションのメリット

エアレーションを行うメリットは

  • 酸素の供給
  • 飼育水をかき混ぜてくれる
  • 油膜を防いでくれる

この3点です。

飼育水の中の酸素量を増やす効果だけでなく、泡が上に登っていく時や割れた時に水をかき混ぜてくれる効果もあります。

また、泡が割れた時に水を下に引っ張る力が発生するので、水面に浮かぶ「油膜」を目立たなくしてくれる効果も期待できます。

これらのメリットはエアーポンプを使った「ぶくぶく」系のエアレーションだけでなく、水面を波立たせることで酸素を取り込む方法でも同じように得ることができますよ。

エアレーションのデメリット

エアレーションをデメリットは

  • 音が発生する
  • 水が飛び散ってしまう
  • 添加した二酸化炭素を放出してしまう

この3点が挙げられます。

エアーポンプを使って行うエアレーションでは、ぶくぶくと泡を作りますので、音や水の飛び散りが起きてしまいます。細かな水が飛び散ると、壁紙などがダメージを受けることもありますので、気をつけたいですね。

また、水草を育てるために添加している二酸化炭素を空気中に放出してしまいます。そのために水草水槽ではエアレーションは必要がないと言われることがあります。

確かに、二酸化炭素を添加している時にエアレーションを行うと、逆効果となってしまいます。

しかし、二酸化炭素は常に添加しているものではなく、照明を消灯中は添加をやめるのが一般的です。

そこに水草水槽でもエアレーションが効果的となる理由があります。その理由について、次の項目で詳しく紹介していきますね。

水草水槽でもエアレーションが効果的な理由

水槽イメージ

水草水槽でもエアレーションが効果的な理由は

  • 消灯中の酸欠を防ぐことができる
  • 油膜対策になる

この2点です。順に見ていきましょう。

消灯中の酸欠を防ぐ

水草は光が当たると光合成をして、二酸化炭素から酸素を作って吐き出します。そのため、照明が点灯している間は飼育水の中に酸素がたくさんあって、足りなくなるということはありません。

しかし、照明が消えている間は、水草も光合成を行わずに酸素を吸っています。

水草も酸素を消費することによって、消灯中は酸素が足りなくなる可能性があります。もちろん水草の量や生体の数、水温などの影響もありますが。

エビなど、酸欠に弱い生体を飼育している場合は注意が必要です。

また、水を「ろ過」してくれる好気性のバクテリアも酸素を必要としますので、影響が出てくるおそれがあります。場合によっては「ろ過」がうまく機能せず、水槽内の状態が悪化してしまいます。

水草水槽でよく採用される外部フィルターでは酸素が不足する状態になりがちなのもポイントですね。

こういった点から、水草水槽でも

  • 水草の量
  • 生体の数
  • 水温

などの状況によっては消灯中のエアレーションが効果的になります。

油膜対策

水草水槽では外部フィルターを使い、二酸化炭素を放出しないよう水面をあまり揺らさないセッティングが一般的です。

しかし、このセッティングでは「油膜」と呼ばれる白っぽい膜のようなものが水面に発生することがあります。

油膜の原因はいろいろあって、

  • エサの油分
  • バクテリアの死骸
  • 余分なタンパク質
  • ソイルなどから出てくる成分

などなど。

油膜が出てくると、水面から酸素が入りにくくなったり、照明の光を邪魔したりと、悪い影響があります。

油膜の解消には原因を突き止め、対処することがベストなのですが、なかなか原因がつかめないことも。

そんな時はエアレーションで対処してみると良いと思います。

エアレーションのメリットの項目でもご紹介しましたが、泡が割れた時に水を下に引っ張る力が発生するので、水面に浮かぶ「油膜」を消してくれます。

水草水槽でのエアレーションのやり方

ブルーグラミーの泳ぐ姿

水草水槽でエアレーションを効果的に行う方法は、オンとオフの時間帯に注意するだけです。

照明が点灯している間は光合成が行われていますし、二酸化炭素の添加も行なっていることが殆どだと思いますので、エアレーションをしてもメリットは少ないですね。そのため、エアレーションはオフです。

逆に照明が消えている時間帯は酸素の消費量が増えることから、エアレーションをオンにすると効果的です。

やり方としては、自分でオンオフを切り替えても良いのですが、さすがに手間がかかってしまいますので、電源タイマーを使うと良いと思います。設定した時間で自動的にオンとオフをしてくれ楽ちんです。

また、ろ過フィルターの排水を水面より高い位置に上げ、水面を波立たせてもエアレーション効果がありますので、照明が消えたあとに、排水パイプを上にあげても良いですよ。

面倒ではありますが、エアーポンプなどの配線が必要ないのと、泡が割れる時の水跳ねが無いのがメリットですね。好きな方を選んで頂けたらと思います。

エアレーションを行うのは、照明が消えた直後からでも良いですが、二酸化炭素の濃度が下がり、pHなどの水質が変化することもあり得ますので、少し変化を緩やかにするために消灯から1時間ほど間隔をあけて開始しても良いかもしれませんね。

水草水槽のエアレーションまとめ

この記事では「水草水槽でもエアレーションは効果的!その理由とやり方とは?【油膜と酸欠対策】」についてご紹介しました。

水草水槽では二酸化炭素の添加と相性が悪いことから、エアレーションは導入されない方も多いのですが、実は水草が光合成をしていない時間帯は酸素が不足しがちです。

そのため、照明が消えて光合成が行われていない間はエアレーションをすることで酸欠を予防することができます。また、水草水槽で良く見られる「油膜」の対策にもなります。

水草をレイアウトしている水槽でも、エアレーションを上手に使うことで維持管理が楽になるかと思います。

以上、いのりでした。