【アクアリウム】エアレーションの効果とは?水槽には必要なの?

エアレーションの効果とは?

こんにちは、いのりです。

「ぶくぶく」の愛称で親しまれているエアレーション。アクアリウムを楽しんでいる方は、1度は目にしたことがあるかと思います。

とはいえ、エアレーションの効果や必要性については、あまりわからなくて、なんとなく「ぶくぶく」させているという方も多いのではないでしょうか?

そこで、この記事では

  • エアレーションの効果
  • エアレーションの種類
  • どういった場面で効果的か
  • エアレーションの注意点

についてご紹介していきます。

エアレーションは、上手に使うことでいろいろなメリットがあります。

そんなエアレーションについて、みていきましょう。

エアレーションの効果

熱帯魚とエアレーションの関係

 

エアレーションをすることで得られる代表的な効果は

  • 酸素の供給
  • 油膜を防ぐ
  • 水流を作る
  • 見た目を楽しむ

主にこの4つです。

順に詳しくご紹介していきますね。

酸素の供給

エアレーションをするときに1番期待される効果といえば、やはり「酸素を供給」することです。

水槽の中に空気を送りこみ、飼育水の酸素濃度を保ちます。

熱帯魚をはじめとした生体たちは、当然ではありますが呼吸しています。

また、水草も光合成をしていないときは、魚たちと同じように呼吸していたり。

酸素が足りないと酸欠となってしまい、生き物たちは生きていけません。

酸欠を防ぎたいときには、エアレーションをしてあげたいですね。

油膜を防ぐ

水面に浮かぶギラギラした膜のようなものが「油膜」と呼ばれています。

発生原因はエサの成分やバクテリアの死がいなど、いくつかありますが、何にしても水槽にとって良いものとはちょっと言いにくいです。

そんな油膜ですが、エアレーションでぶくぶくと泡を作ると、油膜の発生を抑えることができます。

その理由は、泡が割れるときに水面から水中へ引き込むような流れができるからです。水面に浮かぶ油膜を水中へ引き込んでくれるんですね。

エアレーションを活用することで、油膜の成分を取り除くことはできませんが、油膜が水面に張ってしまうのは防ぐことができますよ。

水流を作る

エアレーションのために泡を作ると、一緒に水の流れを作ることができます。

泡が上がっていくときに、下から上へ水流を作り出してくれるんですよね。

そのため、エアレーションを行うことで水槽内の水を循環させることができます。

水が動かない「止水域」ができてしまうと、水槽に悪影響をおよぼすことも。

悪影響とはたとえば、

  • 酸素が供給されない
  • ろ過バクテリアが増えない
  • 病気の菌が増える

などなど。

止水域を防ぐという意味で、水流を作り出すことはとても大切なポイントです。

ちょっとした水の動きを作るときにエアレーションは、とても効果的で使いやすいですよ。

見た目を楽しむ

ぶくぶくと登っていく泡は、見る人を楽しませてくれます。

個人によって好き嫌いはあるかと思いますが、エアレーションの泡を見ているのが好きな方は、意外と多いのではないでしょうか?

長いエアストーンを使ったりして、空気のカーテンを作ることもできますよ。

水槽内の演出としての役割も、エアレーションの効果といえますね。

エアレーションの種類

投げ込み式フィルターでのエアレーション

一般的にエアレーションと聞くと、エアストーンを使って「ぶくぶく」させることを思い浮かべる方が多いかなと思います。

しかし、エアレーションには他の種類もあるんです。

そんなエアレーションの種類を大まかに分けると

  • エアストーンを使ったエアレーション
  • ろ過フィルターによるエアレーション
  • 水流ポンプによるエアレーション

の3つですね。

「ぶくぶく」だけではなく、ろ過フィルターや水流ポンプを使って、酸素を取り込んだり、循環させることができます。

種類ごとのやり方について、詳しい解説は「エアレーションの種類|水槽に酸素を供給しよう!【アクアリウム】」という記事でご紹介しています。あわせて読んでみてくださいね。

関連記事 エアレーションの種類|水槽に酸素を供給しよう!【アクアリウム】

エアレーションが効果的な場面

エアレーションをしている大型水槽

さて、ここまでエアレーションの効果や種類をご紹介してきました。

ここからは、エアレーションを効果的に活かせる場面についてみていきましょう。

エアレーションが効果的な場面はざっくり分けると5つ。

  • 生体の数が多い
  • ろ過を強化したい
  • 油膜が目立つ
  • 止水域をなくしたい
  • 水草水槽のライト消灯中

順にご紹介していきますね。

生体の数が多い

水槽内の生体の数が多いと、酸素が足りなくなることがあります。

エアレーションを活用して酸素を供給することで、酸欠を防ぐことができます。

飼育している生体の数が多く、酸欠になってしまう可能性がある、という場合にはエアレーションは効果的です。

とはいえ、エアレーションをしているからといって、飼育できる生体の数が無制限になるわけではありません。

その点についてはしっかりと注意しておきたいですね。

ろ過を強化したいとき

水槽内の水をきれいに保つ「ろ過」。

ろ過にはいくつか種類があります。ごみを取り除く物理ろ過や、アンモニアなど毒性のある物質をバクテリアの力で分解する生物ろ過などですね。

実はろ過のひとつ、生物ろ過はエアレーションを活用することで、その効果を最大限に発揮してくれるようになります。

アンモニアや亜硝酸などに対応してくれるバクテリアは好気性バクテリアと呼ばれ、生きるのに酸素が必要なんです。

そのため、水槽内の酸素濃度が少なくなると、好気性バクテリアはなかなか増えることができずに、ろ過能力を十分に発揮してくれないことも。

エアレーションをおこない、酸素を水槽内に供給することで、バクテリアが増えて生物ろ過の強化につながりますよ。

「生物ろ過ってなに?」という方はこちらの記事で詳しくご紹介していますので、見てみてくださいね。

関連記事 生物ろ過の仕組みとは?初心者さんが必ず覚えておきたいポイントは6つ

油膜が目立つ

こちらは「エアレーションの効果」の項目でもご紹介しましたが、エアレーションには油膜の発生を抑える効果があります。

泡が割れたときに、水面の水を水中に引き込む流れができるからです。

そのため、エアレーションをおこなうと、水面に油膜が発生しないように防いでくれます。

水槽にギラギラした油膜が発生して困ってる方は、エアレーションを試してみてはいかがでしょうか。

ただし、油膜の成分そのものを取り除くわけではないことには注意してくださいね。

止水域をなくしたい

止水域をなくしたいときにもエアレーションは効果的です。

エアレーションをすると発生する空気の泡が、水面に登って行くときに水の流れを作ってくれるからですね。

ろ過フィルターなどで水流を作っていても、オブジェの影などで水がほとんど動いていない場所ができてしまうことも。

そんなときにエアレーションを使うと、止水域を解消してあげることができますよ。

水草水槽のライト消灯中

水草水槽では、エアレーションと相性が悪いとよく言われます。

次の項目でもご紹介しますが、二酸化炭素を添加しているときにエアレーションを行うと、せっかく添加した二酸化炭素を空気中に放出してしまうんですね。

また、水草が光合成して酸素を作り出してくれているので、わざわざエアレーションする必要もないですよね。

ですが、ライトが消えて光合成をやめると、水草たちも酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出すようになります。

このタイミングでは、酸素の消費量が増えるので、水槽内の酸素が足りなくなってしまうことも。

酸素が足りないと、生体への影響だけでなく、ろ過バクテリアの活動にも影響が出てしまうことも。

そんなときに効果的なのがエアレーションです。

水草水槽であっても、ライト消灯中にエアレーションは効果的です。

もしも水草水槽を楽しんでいて、ろ過が安定しなかったり、酸欠の傾向が見られる場合は、消灯中のエアレーションを試してみると良いかもしれません。

水草水槽とエアレーションの関係については、別の記事でもご紹介しています。あわせて読んでみてくださいね。

関連記事 水草水槽でもエアレーションは効果的!その理由とやり方とは?【油膜と酸欠対策】

エアレーションを活用するときの注意点

スポンジフィルターでのエアレーション

エアレーションを活用するときには、いくつか注意しないといけない点もあります。

その注意点とは、次の5つです。

  • 水はねに注意
  • 泡やポンプの音がする
  • 二酸化炭素の添加とは相性が悪い
  • 水の逆流による事故に注意
  • エアストーンは定期的にメンテナンスが必要

それでは、この5つの注意点について確認していきましょう。

水はねに注意

泡を「ぶくぶく」させる方法でエアレーションをおこなうときには、水はねに注意が必要です。

泡が弾けると、水のしぶきが周りにとびます。

ぶくぶくで飛び散る水は意外と多くて、知らぬ間に水槽の側の壁や床が濡れてしまっていることも。

また、水はねで特に気をつけたいのがコンセントなどの電源まわりです。

電源のまわりが水で濡れてしまうと、重大な事故が起きる危険性も。

エアレーションをおこなうときには、電源まわりに水が飛んでいないか、しっかりと確認する必要がありますね。

なお、水はねを防ぐには、水槽のフタをするなどで対応してみてください。完全に防ぐのはかなり難しいのですが、効果はありますよ。

マリンアクアリウムでは「バブルストッパー」と呼ばれる商品を使っている方もいらっしゃいますね。もちろん、淡水でも使うことができますよ。

泡やポンプの音がする

エアレーションでは音が発生してしまいます。

使用するエアーポンプの振動音や、泡の音などですね。

そのため、水槽を寝室などに設置していると、うるさく感じる可能性があります。

音が気になる方は注意したいですね。

ぶくぶくさせると、どうしても泡の音は発生してしまいます。

ただ、エアーポンプの振動音については、静音性が高い商品を選ぶことで、かなり抑えることができますよ。

関連記事 エアーポンプのおすすめ5選!静音性が高いものは?【30〜60㎝水槽向け】

二酸化炭素の添加とは相性が悪い

上の項目でも触れましたが、エアレーションは二酸化炭素の添加とはあまり相性が良くありません。

添加した二酸化炭素を、エアレーションの効果で空気中に出してしまうからです。

そのため、水草水槽で二酸化炭素の添加中は、エアレーションはしない方が良いですね。

ただ、上で触れたように、ライトの消灯中のエアレーションは効果的です。

時間帯にあわせて、エアレーションを活用してみてくださいね。

水の逆流による事故に注意

エアーポンプを使用するときは、水の逆流による水漏れに注意が必要です。

使い方によっては、エアーポンプに接続しているチューブを水が逆流してしまうことがあります。

飼育水が逆流してしまうと、大きな被害になってしまうことも。

エアーポンプの扱いには、十分に注意をしたいところですね。

なお、エアーポンプの使い方や、逆流を防ぐ方法については、違う記事でご紹介しています。エアーポンプを使うときには、あわせて読んでみてくださいね。

関連記事 エアーポンプの使い方と注意すべきポイントとは?逆流防止弁は必要?

エアストーンは定期的にメンテナンスが必要

エアレーションの中でも1番使われている方法がエアストーンを使ったやり方です。

この方法で使われるエアストーンは、定期的にメンテナンスをしてあげないといけません。

なぜなら、長期間使うとコケがはえてきたりしてしまうからです。

コケがはえてしまうと、しっかりと泡が出てくれなくなってしまいます。

そのため、エアストーンは定期的にメンテナンスしてあげたり、交換してあげる必要があります。

関連記事 エアストーンのメンテナンスや掃除のやり方とは?3つの方法をご紹介

エアレーションの効果と必要性のまとめ

ネオンテトラの群れ

この記事では、エアレーションで得られる効果や、有効な場面、注意したいポイントについてご紹介してきました。

エアレーションの効果を再度ざっくりまとめると

  • 酸素の供給
  • 油膜を防ぐ
  • 水流を作る
  • 見た目を楽しむ

この4つです。

エアレーションは上手に活用することで、アクアリウムをより楽しむことができます。

ただし、気をつけたいポイントもあります。

特に、水と電源まわりのトラブルについては、大きな被害にもなる可能性がありますので、十分に気をつけてくださいね。

注意点をしっかり意識して、エアレーションを上手に活用していただけると幸いです。

以上、いのりでした。