外掛けフィルターの特徴と使い方、使用時に注意したいポイントとは?

外掛けフィルターを使ったアクアリウム

こんにちは、いのりです。

この記事では「外掛けフィルター」について

  • 外掛けフィルターの特徴
  • 外掛けフィルターのメリット
  • 外掛けフィルターのデメリット
  • 外掛けフィルターを使うときのポイント

などをご紹介。

外掛けフィルターは初心者さんでもすごく使いやすいフィルターです。

特に「少し小さめの水槽から始めてみようかな?」という方にはピッタリですので、ぜひその特性をつかんで、上手に活用してみてくださいね。

外掛けフィルターとは?

水槽のフチにろ過フィルター本体を引っ掛けて使用することから「外掛けフィルター」と呼ばれています。

仕組みとしてはそこまで難しくなく、水槽の外に掛けたろ過槽に、ポンプを使って水を送り込んでろ過を行うというもの。

ちなみに、ろ過された水はフィルター本体の排水口から水槽の中に流れて戻っていきます。

使い方が簡単かつ手軽というのが大きな特徴となっています。

そのためか、初心者向けの水槽と器具がセットになっている商品などでよく販売されていますね。

次は、そんな外掛けフィルターのメリットとデメリットをみていきましょう。

外掛けフィルターのメリット

水槽と熱帯魚

外掛けフィルターを使うメリットは以下の6つです。

  • 本体の価格が安い
  • 取り扱いやメンテナンスが簡単
  • 音が比較的静か
  • 水槽内がすっきりする
  • 酸素を取り込みやすい
  • 油膜対策になる

それでは、このメリット6つについて個別に詳しく解説しますね。

本体の価格が安い

外掛けフィルターは本体の価格が安く、お手頃な値段で入手することができます。

また、流通量がとても多いので、ホームセンターのペットコーナーなどでも簡単に手に入れられます

価格にかんしては別途エアーポンプが必要なスポンジフィルターや、底床材が必要な底面式フィルターより総合的に安く済む場合もあるほどです。

関連記事 スポンジフィルターの特徴や使い方のポイントは?繁殖におすすめです。

関連記事 底面式フィルターの特徴と使い方のポイントは?実はろ過能力が高い?

取り扱いやメンテナンスが簡単

外掛けフィルターはとても扱いが簡単です。

基本的には買ってきたものを軽く洗ってから水槽に引っ掛けて、電源を入れるだけで使うことができます。(一部運転前に、ろ過槽に飼育水を入れてあげる必要があるものもありますが)

外部フィルターのようにホースを設置したりする必要もなく、初心者さんにも優しいフィルターですね。

またメンテナンスも簡単です。

特に、純正ろ材を使用している場合は、定期的に取り換えるだけで大丈夫と新設設計。

さらにほとんどのメーカーで、純正ろ材は水に手を入れなくても交換できる作りになっています。

手を汚さずにメンテナンスができるのはありがたいですね。

音が比較的静か

スポンジフィルターや投げ込み式フィルターなど、エアーポンプを動力として使用するフィルターと比べると、外掛けフィルターは静音性に優れています。

とはいえ、モーターの振動音は聞こえますし、排水口と水面の落差が大きいと水の音もありますね。

ですが、水の音は水面との落差を無くすことで抑えられますし、モーターの振動音もそこまで気になるほど大きくないです。

エアーポンプのぶくぶく音よりはぐっと静かですね。

水槽内がすっきりする

スポンジフィルターや投げ込み式フィルターでは、どうしてもフィルター本体が水槽の中で目立ってしまいますよね。

外掛けフィルターの場合は、ろ過を行う部分が水槽の外に出ていて、水を組み上げる部分だけが水槽内にあるため、水槽の中がすっきりとした印象に見えます。

酸素を取り込みやすい

外掛けフィルターでは、排水時に水を上から落として排水します。

そのため、落水時に酸素を取り込みやすくエアレーション効果が期待できます。また、水面の水を動かしてあげることも酸素の供給面では効果的です。

生体の数などにも左右されるため、全く必要が無いとは言い切れませんが、外掛けフィルターがあればエアーストーンによる「ぶくぶく」を使わなくても済む場合が多いですね。

油膜対策になる

アクアリウムを楽しんでいるとき、水面にギラギラとした油膜が発生することがあります。

油膜は見た目も悪いですし、できれば無くしたいものですよね。

外掛けフィルターは水を上から落とし、水面の水をかき混ぜてくれるので、水面に浮かぶ「油膜」などを目立たなくしてくれる効果があります。

ただあくまで目立たなくするだけで、油膜の成分そのものを取り除いてくれるわけでは無いことは注意してください。

関連記事 油膜の発生する原因と対策、取り除き方

外掛けフィルターのデメリット

フレーム水槽とコリドラス

外掛けフィルターのデメリットは次の4つです。

  • 純正ろ材はランニングコストがかかる
  • ろ過能力が低め
  • 水草とは相性が悪い
  • 水槽の水位が制限される

こちらも順に解説していきますね。

純正ろ材はランニングコストがかかる

純正ろ材は手を汚さずにメンテナンスできて便利だと先ほど述べましたが、逆にデメリットもあります。

そのデメリットとは、定期的にろ材を交換していくためにランニングコスト(維持費)がかかることです。

長く使っていると、意外と経費が高くなってしまいます。

ですが、ろ材を工夫することでこのデメリットは解消することができます。

その方法については、「外掛けフィルターを使うときのポイント」の項目で解説しますね。

ろ過能力が低め

外掛けフィルターは非常に使いやすく便利なフィルターですが、実はろ過能力はあまり高くはありません。

上部式フィルターや外部フィルターと比べると、ろ過槽があまり大きく無いのが理由のひとつ。

そのため、外掛けフィルターは

  • 生体の数が多めの水槽
  • デリケートな生体を飼育している水槽

などには向いていません。

水草とは相性が悪い

メリットの項目で水の落下時に酸素を取り込みやすいと紹介しましたが、この時に水草の光合成に必要な二酸化炭素は酸素とは逆に抜けていってしまいます。

そのため、二酸化炭素を添加するような水草メインの水槽では、外掛けフィルターは相性があまり良くないといえますね。

やはり、水草をメインとしている水槽には外部フィルターの方がおすすめです。

関連記事 外部フィルターの特徴と選び方のポイント【水草水槽におすすめ!】

水槽の水位が制限される

外掛けフィルターはモーターで飼育水をろ過槽まで送り込みます。

しかし水面の高さがあまりにも低いとモーターのパワーが足りず、ろ過槽まで飼育水を送ることができません。

そのため外掛けフィルターには製品ごとに「ここの水位までならろ過槽に水を送れますよ」という「最低水位」が設定されています。

この最低水位よりも下に水面がきてしまうと、ろ過槽まで飼育水を持ち上げられないんですね。

外掛けフィルターの構造上、小さいモーターで飼育水を水槽の高さより上まで上げなければいけないため、設定されている最低水位はわりと高め。

  • 水面の高さを低めにしたい
  • アクアテラリウムで使いたい

といった場合には外掛けフィルターは対応できないことが多いです。

外掛けフィルターを使うときのポイント

外掛けフィルターを使うときに注意してほしいポイントは以下の3つです。

  • ろ材を工夫しよう
  • 水槽サイズとフィルターの対応サイズは合わせよう
  • モーターの位置の違いに注意

順に詳しく見ていきましょう。

ろ材を工夫しよう

デメリットの項目でも紹介しましたが、純正ろ材はランニングコストがかかってしまいます。

そこで、純正ろ材をあえて使わずに、短期間で交換する必要がない「リングろ材」などの「多孔質ろ材」を純正ろ材の代わりにろ過槽に入れるとランニングコストを抑えることができます。

多孔質ろ材は純正ろ材と比べて、物理ろ過は苦手ですが、生物ろ過は得意です。

このろ材の変更ですが、注意してほしいことが1点。それはろ過槽に多孔質ろ材を「ぎっちり」と詰めるのは危険だということです。

理由はろ材が多すぎると、その間を流れる水量が少なくなってしまい、効果的なろ過が行われなくなってしまうリスクがあるからです。

最悪のケースでは、酸素の供給がなくなり、悪いバクテリアが繁殖して有毒物質が発生してしまうことも。

ですので、ろ材を変更する際は欲張って詰めすぎないように気をつけてくださいね。

ここで再度、純正ろ材と多孔質ろ材のメリットとデメリットについてざっくりまとめてみましょう。

純正ろ材のメリット

  • メンテナンスが圧倒的に簡単

純正ろ材のデメリット

  • ランニングコストがかかる
  • ろ過能力が低い

多孔質ろ材のメリット

  • 維持費がかからない
  • 生物ろ過の能力が少し上がる

多孔質ろ材のデメリット

  • メンテナンスの手間が増える
  • 詰めすぎると悪影響になる

水槽のスタイルに合わせて使い分けをしよう

純正ろ材と多孔質ろ材のどちらにも良い点と悪い点があります。

どちらにしようか迷っている人は、水槽をどのようなスタイルで維持していくかで選んでみると良いかなと思います。

例えば「あまり手間かけずに、少数の生体を飼育する水槽にしたいなー」という方であれば純正ろ材でメンテナンス性を重視してみる。

「生物ろ過を強化してちょっと本格的に…」という方には多孔質なリング系ろ材に変更するなど、状況にあわせて使い分けると良いと思います。

水槽サイズとフィルターの対応サイズは合わせよう

外掛けフィルターを選ぶときは

  • フィルターの対応サイズ
  • フィルターを使用する水槽の大きさ

この2点にズレが無いように気をつけてくださいね。

水槽の大きさよりフィルターの対応サイズが小さいと、ろ過能力が不足してしまう可能性があります。

逆に水槽に対して大きなフィルターを使ってしまうと、水流が強すぎて水槽の中が洗濯機みたいになってしまいます。

モーターの位置の違いに注意

外掛けフィルターの動力源はモーターですが、機種によってモーターの位置が違っていて、ざっくり分けると2種類に分けられます。

モーターが水槽内の水中にある「水中モーター」と、空気中にある「水上モーター」の2種類です。

今の主流は水中モーターですが、一部の機種には水上モーターが搭載されています。

モーターの位置の違いで注意する点は

  • 見た目
  • 静音性
  • 水温の上昇

の3つです。

水中モーターはモーター部分が水槽内にあるため少し目立ちます。しかし、水中モーターは水上モーターより静音性に優れています。

また、水中モーターは熱をもつ稼動部が水中にあり水温を上げるひとつの要素になりますので、夏場は少し注意が必要ですね。

水中モーターの特徴をまとめると

  • 水槽内のモーターが目立つ
  • 音が静か
  • 水温が少し上がる

となります。

そして水上モーターの特徴は

  • 水槽内がすっきりする
  • 音が少し気になる

どちらも一長一短ではありますが、個人的には音の静かな水中モーターのタイプがおすすめです。

外掛けフィルターと相性の良い生体

ネオンテトラの群泳

外掛けフィルターは初心者さんが手を出しやすい一般的な小型熱帯魚と相性が良いですね。

例えば、

  • ネオンテトラ
  • カージナルテトラ
  • ブラックファントム
  • ラスボラ・ヘテロモルファ
  • その他の小型熱帯魚たち

といった魚たちです。

水流が強くなりがちですので、強い流れが苦手なベタやメダカといった魚には向いていません。(水流を弱める工夫をしてやると使えますが)

ろ過能力が不足しやすいことから、ビーシュリンプなどのデリケートな生体を飼育するのもちょっと難しいですね。

初心者さん向けな生体と相性の良い外掛けフィルターですが、次の項目ではその中でもおすすめの製品を紹介します。

初心者さんにおすすめの外掛けフィルター

初心者さんにぜひともオススメしたい外掛けフィルターが、テトラから販売されている「オートワンタッチフィルター」のATシリーズです。

特に

  • AT-20
  • AT-30

あたりはサイズ感も手頃で使い勝手が良いフィルターですね。

使い方も水槽に引っ掛けてコンセントをさすだけの簡単設計です。

水中モーターで動作音が静かなのも特徴。ロングセラーになるのも頷けます。

初心者さんが30センチキューブ水槽あたりでアクアリウムデビューしようかなという時にぴったりですね。

外掛けフィルターを使って、アクアリウムを楽しもう

この記事では、外掛けフィルターの特徴や使い方、使用時のポイントなどについてご紹介しました。

外掛けフィルターの特徴は、なんといっても使い方が簡単で手軽なことでしょう。

そんな外掛けフィルターの使い方をざっくりとまとめると

  1. ろ過槽にろ材を入れる
  2. 本体を水槽にひっかける
  3. ろ過槽に水を入れる(機種によっては不要)
  4. コンセントを挿す

これでオッケーという手軽さが外掛けフィルターの良さだと思います。

ほかにも

  • 本体の価格が安い
  • 取り扱いやメンテナンスが簡単
  • 音が比較的静か
  • 水槽内がすっきりする
  • 酸素を取り込みやすい
  • 油膜対策になる

といった特徴が。

初心者さんでも簡単に使うことができますので、ぜひ使ってみてくださいね。